『お金のIQ お金のEQ』 本田健

『お金のIQ お金のEQ』 本田健

概要

世の中には「とにかくお金持ちになりたい人」と「お金はいらないから幸せになりたい人」がいる。でもどちらもお金持ちになれないし幸せにもなれないことがほとんどだ。多くの人たちがお金があれば人生の問題が解決して不安がなくなると信じている。

でも、どうやら現実はそうではないらしい。著者は色々な人たちを見てきた中で、幸せな金持ちとお金を稼ぐにつれてどんどん不幸になっていく人がいることに気がついた。そしてその違いは一体何なのかについてずっと考え続けてきた。それは一言でいうなら「お金とうまく付き合うかどうかで決まる」。

普通はお金について学校や家庭で教わることはほとんどなく、多くの人はお金に関して完全に誤解している。

お金とうまく付き合っている人というのは稀で、お金をたくさん稼げば勝ち組で幸せになれると信じる「お金過食症」か、お金があると不幸になると考えている「お金拒食症」のどちらかにほとんどの人が分類される。

しかし、著者はあるお金持ちに「幸せと豊かさは両立できる」と教えてもらった。

現在多くの日本人は時間とお金を交換していて、今や何のためにお金を稼ぐのか、何のために働いているのかも分からない状態になっている。

本書は前作『幸せな黄金持ちへの8つのステップ』の続編にあたり、お金との幸せな関係を構築する方法を前作より深く解説している。

ポイント

◆お金の本質

お金は単なる紙や金属だけど、本物であれば何でも好きなものと交換できる。つまり、お金があればパワーを手に入れられる。

お金には主に3つの機能がある。1つ目は「交換機能」。2つ目は「貯蓄機能」。そして3つ目は「増殖機能」。3つ目の増殖機能がお金を複雑なものにしている。お金には利子がつき増殖する。そしてお金はより増殖できるところに集まってくる性質があり、この性質が投機的に使われるときに弱者と強者が生まれだす。

多くの人が、人生で起こる問題をお金のせいにしがちだが、よく問題の本質を辿るとほとんどの場合お金が問題ではない。

◆お金のIQとお金のEQの高め方

お金の性質を理解する

特に「増殖機能」。自己投資が1番の投資。ブランド物などは「富の象徴」であってそれ自体はお金を生み出さない「負債」。物事の本質を見極め、自分を律することを学ぶこと。

感謝して受け取り、しっかり味わう

素直に感謝して受け取ることはとても難しい。感謝して受け取ることは、与えることと同じと心得る。

分かち合う

お金は流れるエネルギー。流れを自分に引き込むことはできても、流れを長い時間溜めると腐ってしまう。自分の能力を最大限に活かして周りと分かち合うこと。

◆お金との幸せな関係の築き方

・キャッシュフロー(お金の出入り)、とその時の感情を正確に把握する。

・お金に関しての良い友人と、メンターを持つ

・お金を忘れて好きなことに集中する。自分の好きなことをとことんやって、周りの人を幸せにする。

感想

「宝くじ当たらないかなぁ」、とか「100万円落ちてないかなぁ」なんて思いながら日々過ごしているがなかなかそんなことは起こらない。そんな偶然に期待するくらいなら自分を変える方がよっぽど早い。なぜなら問題の本質にあるのは「お金」ではなくて「お金に対する感情」もしくは「自分の在り方」だからだ。

まずは自分とお金との関係を見直すこと。つまり稼ぎ方、使い方を見直すこと。そしてお金に感謝する。自分の好きなことをお金に関係なくやり、それを活かして周りを助けて分かち合う。

この本を読んで、お金がなくても幸せになれることがわかり、お金に対するこだわりが少し和らいだ気がした。そして、貯めるより流す。自分のところに来てくれたときには、感謝して受け取ってみんなで楽しむ。みんなで分かち合えば出て行ってもまた自分のところに戻ってきてくれるはずだから。

真面目にやってれば何とかなるさと気楽に構えていればいいんだなぁ、と思えた。